「あら、もう針が無くなったわ・・・」

「あっ、や・・・あ・・・」

「クスッ、まるで針山ね」

小枝子は変わり果てた夫の睾丸を見て、クスリと笑った。

「もう使えないかな・・・」

「いぎゃっ!!!」

白く細い指がトマトのように真っ赤に充血した左の陰嚢に絡まる。

ぐちゅぐちゅに熟れたトマトは白い指に押しつぶされ、真っ赤な果汁を吐き出す。

「やめ・・・て・・・」

「もうぐちゃぐちゃね」

小枝子は血の滴る左の陰嚢を左手のひらで掬うように持ち上げ、それをまじまじと見つめた。

「可愛そうに、こんなにみじめな姿になってしまって。今、もとに戻してあげるからね」

そういうと小枝子は、深々と突き刺さったマチバリを指先で摘まみ引き抜いた。

礼二の体がビクンと跳ね上がる。

「痛かったでしょう? 苦しかったでしょう? 悲しかったでしょう?」

激痛にもがく夫に構うことなく、次々と針を引き抜いてゆく小枝子。

鋭い針が引き抜かれたところから、うっすらと血が滲み出て、彼女の手を汚してゆく。

「あまり血は出ないのね・・・。もっと血だらけになると思ってたのに・・・」

彼女は痛みに泣き叫ぶ夫を尻目に淡々と作業を続ける。

男にとって最も軟弱でそれでいて最も大切な部分、それを知って彼女は彼が自分の夫であるということにも関わらず、容赦なく破壊してゆく。

一本一本と先ほどとは逆に、引き抜いてゆく。

「これで最後ね・・・」

最後の一本を引き抜いた小枝子は、真っ赤に充血した左の陰嚢を右手に包み込んで、強弱をつけ揉みしだいた。

泣き叫ぶ夫、妻はそれに構うことなく、睾丸を触診する。

心なしか、右側より大きくなってる気がする。

それに火傷してしまいそうなほどに熱を帯びている。

きっと雑菌でも入って脹れあがっているのだろう。

いずれにせよ、これはもう使えない。

使えないとなれば、ヤルことは決まっている。

「可愛そうな貴方・・・、こっちはもう駄目みたいね・・・」

小枝子が優しく微笑みながらそういうと、礼二は絶望的な表情を浮かべた。

「でも安心して、片方は無事だから・・・」

そう言って右側の陰嚢をやわやわと揉みほぐす。

「ふふふ、大丈夫よ、こっちには何もしないから。その代り・・・」

小枝子は彼の睾丸から手をはなし、傍らに置いてあったポーチの中からペンチを取り出した。

それを見た礼二は目を大きく見開き、暴れ始めた。

「こら、暴れないの」

彼女は真っ赤に晴れ上がった左の睾丸を手に取り、ペンチで挟んだ。

彼はビクンと体を震わせてその後硬直した。

「ああっ、小枝子・・・、小枝子・・・」

礼二はすがるような声で妻の名を呼び続けるが、彼女がグリップを握る手に力を込めたとき、彼は観念したように押し黙った。

今、彼は愛する妻に男の尊厳を半分、虚しくも奪われようとしている。

「貴方・・・」

睾丸のひしゃげる感触が冷たい金属越しに伝わる。

本当に痛そう、痛そうなのに・・・なぜか夫のペニスはこんなに元気。

小枝子は左手でペニスを包み込み、優しく上下にしごき始めた。

現金なもので、こんな状況にもかかわらず夫はペニスの先端から我慢汁を垂れ流し、さらなる快感を求め脈打ちふるえる。

「ふふっ・・・」小枝子は左手を放すと、グリップを両手に握り直す。

夫のペニスが虚しく震える。

小枝子はその様を楽しげに見つめる。

ふと視線を上げると、恐怖に打ち震える夫と目が合った。

にっこりとほほ笑む。

“だめ、許してあげないわ”

小枝子はありったけの力でグリップを握りしめた。

“ぶちっ”

「うぎゃああああああああ!!!!!!!」

鈍い感触が彼女の手のひらに伝わった。

それと同時に、夫の陰嚢が裂け、その中身が白いシーツの上に飛散した。

“びちゃびちゃ”

真っ赤に染まった精液が、垂直に起き上がったペニスの先端から迸る。

小枝子の豊満な乳房が赤く染まる。

彼女は胸に付着した真っ赤なそれを指で掬い、ぺろりと舐めた。

「おいしい・・・」

小枝子はびくびくと痙攣する夫に覆いかぶさり彼の耳元で囁いた。

「もう、浮気しちゃだめよ。次はもう片方も、潰すから・・・」

「あ・・・あっ・・・」

「ふふふっ、おやすみ・・・」

すすり泣く夫の胸の上で、小枝子は安らかな寝息を立て始めた。