「はあはあ、この変態、二度と私の前に現れないで!」

桃子はもがき苦しむ彼をそのままに、部屋を去ろうと彼に背を向けた。そして荷物を取ろうと何気なくベットのわきの棚を見たとき、何かがぴかりと光った。反射光・・・レンズ?

「これって・・・」

桃子は棚に駆け寄り、それに手を伸ばした。

仕込みカメラだ・・・。

彼の持っていたカバンの側面に小さな穴があけられていて、そこからビデオカメラのレンズが顔を覗かせていた。

「ちょっと、これは何!?」

「ひっ、そっ、それは・・・」

桃子は地面に這いずり逃げようとする男を捕まえ、胸ぐらをつかみ引っ張り起こした。

そして逃がさないようにと、右手で彼の赤くはれ上がった睾丸を握りしめた。

「あだだだっ・・・」

「なんですかこれは・・・」

「そっ、それは・・・」

「最悪!!!」

桃子は鞄を地面にたたきつけ、カメラを壊した。

森谷はびくっと体を震わせ、ものすごい形相で睨みつける彼女を宥めようと努めた。

「それは違うんだ。たまたま、入れてたのを忘れて・・・」

「本当ですか?」

そう言い、彼女は睾丸を握りしめる手に力をこめた。

「あっ、ごめん、痛い・・・放して・・・」

「本当のことを言いなさい!!!」

ギリギリと彼女の爪先が陰嚢にめり込んでゆく。

「はっ、あっ・・・」

2つの肉魂がこれから犯すつもりだった女の手のひらで平たく変形していく。

「はっ、放して・・・」

「今まで、どんな悪いことをしてきたんですか?」

桃子は男を睨みつける。

「正直に言いなさい」

彼女は男の泣き所である睾丸を容赦なくひねり上げてゆく。

だんだんと増してゆく激痛にとうとう耐えられなくなった彼は、今まで彼がしてきた悪事を洗いざらい話した。

「そう・・・、盗撮して、その内容をネットで売りさばいていたの・・・ひどい!!!」

「あぎゃっ!!!」

「ねえ、じゃあ、なんだって女の子に股間を蹴らせるような真似をしてたの?」

「けっ、蹴られるのが好きなんだ。昔、いじめられてて、女の子に蹴られて・・・」

「それならなんで、3分以内に金蹴りで倒せなかったらセックスだなんて、わけのわからないことをしたの・・・。蹴られるだけで十分じゃない。それをあんなふうに無理やり!!!」

桃子は手首をひねり、彼の睾丸を捩じり切らんばかりに引き延ばした。

「ああっ、やばっ・・・それ・・・。放し・・・」

「どうしてよ!!!」

「きっ、気の弱い女の子を無理やりするのが好きだったんだ。気の弱い女の子が自分の貞操を守るために、必死で男の大事なとこを蹴り上げて、それに失敗した女の子を犯すのがなんだか、興奮して・・・」

「・・・最悪・・・、変態が・・・」

桃子は彼の性癖にドン引きして、思わず彼の睾丸から手を放し、一歩後ずさった。

「あっ、はあはあ・・・。もう、いいだろう・・・。君のことは、見逃してあげるから・・・」

男は体をくの字に曲げて言う。

「きみ、思ってたような気の弱い子じゃなかった。だからもう、帰っていいよ・・・」

「はっ?」

「だから、帰っていいって・・・。ちょっ、ちょっと・・・」

桃子は森谷の胸ぐらをつかみ、彼の顔面に右ストレートを叩き込んだ。

「ふごっ・・・」

鼻血をまき散らしながら後ろに仰け反る森谷、桃子は彼が倒れないように力強く引っ張った。そのままがくんと頭を垂れ、桃子にうなだれかかるように密着する。

「いって・・・」

「・・・やる」

森谷の耳元で桃子が何かをつぶやいた。

何を言っているかはわからなかったものの、得体のしれたい恐怖を感じた彼は彼女を押しのけるようにし、彼女の体を引きはがそうとするが彼女はしっかりと彼の肩を掴んでいた。

「この変態が、お望み通り、お前の大事なところを蹴り上げてやる!!!」

次の瞬間、彼女の膝蹴りが彼の股間にさく裂した。

「ぎゃあああああああああ!!!」

パンという破裂音。

彼の睾丸はそのたった一発によって、粉砕された。

血まみれの精液をまき散らしながら、地面をのた打ち回る森谷。

「思っていたような気の弱い女の子じゃなかった? 私が遊んでいる風だとでも言いたいの? ホント最悪。地獄に落ちろ!!!」

彼女はそう言い残し、部屋を後にした。