午後7時、公園の噴水前、学生服を着た少女が僕に声をかけてきた。

「あの・・・」

「えっと、“祐美”ちゃん?」

「はい・・・、えっと、“金蹴り大好き”さんですか?」

「あっ、えっと・・・」

僕が周りを見渡すと、彼女ははっとした顔で口元を抑えた。

金蹴り・・・少女が発した言葉に隣でいちゃついていたカップルが怪訝そうにこちらを見た。僕らはその場から逃げるように、噴水を背にそそくさと歩き出した。

「すっ、すみませんでした・・・」

「あっ、いや・・・、ははっ。えっと、僕の名前は春日部・・・まあ、好きに呼んでよ」

「あっ、はい、では・・・春日部さん・・・」

「はははっ、まあ、立ち話もなんだし・・・どっか入ろうか?」

「あっ、はい・・・」

僕らは彼女の提案で近くのカラオケボックスに入ることにした。

 

僕の名前は春日野大司、35歳、低月収のサラリーマン。

そして僕の隣にいる少し緊張した面持ちの少女は綾乃祐美。都内の高校に通う高校生。

綺麗な黒髪のショートカット、化粧っ気がなく真面目そうな顔立ち、背が低くてスレンダーな体系。彼女と知り合ったのはつい先日、出会い系サイトで同じ趣味の人を探しているときのこと、彼女の方から接触してきた。いや、趣味というよりは性癖か・・・。

まさか、こんなかわいい子が僕と同様の性癖を持っているなんて・・・。

 

「へー、カラオケボックスなんて、初めて入ったよ」

「そうなんですか?」

「うん。こんな内装になっていたんだ」

「ふふふっ、お気に召していただけましたか?」

「うん、ここなら外からは中が見えにくいから、安心だしね」

「えっ・・・」

「あっ、いやっ、別に変な意味じゃなくて・・・、歌ってるところを見られなれないから安心だってわけで。その、別に僕が君に対して何か如何わしいことをするとかいう意味じゃ・・・」

「・・・ぷっ、くすっ・・・うふふっ」

「えっ、祐美ちゃん・・・?」

「すみません・・・。でも、よかった。春日部さんが優しそうな人で・・・」

「えっ、そうかな・・・」

「はい、それにとてもまじめそうです。出会い系サイトを利用している人だから、もっと怖い人かと・・・」

「あっ、あははっ・・・。そうかな、でも、こっちも意外だったよ。まさか相手が君みたいな若くてかわいい子だったなんて・・・」

「そっ、そんな、可愛いだなんて・・・」

祐美は頬を赤く染め、俯いた。

「あっ、あはは・・・。でも、意外だよ。君みたいな子が金蹴りに興味があるなんて・・・」

「そう・・・ですかね・・・。自分でも、どうしてかなって・・・思ってたり・・・」

「あっ、そんなに緊張しなくていいよ・・・。その、別に変なことするわけじゃないんだし。あっ、そうだ、お腹とかすいてない? なんか頼もうか? 」

 

それから30分くらいたったころ、ようやく緊張がほぐれたのか祐美ちゃんと僕は金蹴り談笑に花を咲かせていた。

「へー、春日野さんは中学生ころ近所のお姉さんにアソコを虐待されて以来、玉責めに興味を持ち始めたんですか・・・」

「うん、あの時は凄かったよ。本当に潰されるかと思ったよ」

「ふふっ、そうなんですか?」

「うん、祐美ちゃんはいつごろから?」

「私ですか? 私は高校に入ったぐらいの頃からです。あっ、初めて男の人の股間を蹴ったのはもっと前ですけどね」

「へー、そうなんだ」

興味津々に聞き入る僕。彼女はふふっと妖しく笑い「聞きたいですか?」と可愛らしく小首をかしげる。

「是非!!!」


「ふふっ、しょうがないですね。では・・・、初めて蹴った時のことを・・・。あれは小学生の時でした。4年生だったかな? 当時、私、クラスの男の子にいじめられていて。それで毎日泣いて家に帰っていたんですね」
ふふっとほほ笑み、彼女は続ける。
「で、そんな私の姿を見かねた父が私にとあるアドバイスをしてくれたんです。“いいか、男なんてものはな、股間を蹴飛ばせば大人しくなるもんだ。次何かされたら、奴らの股間を思いっきり蹴飛ばしてやれ”ですって」

彼女は可笑しそうに笑った。

「その当時から私は体が小さくて、もちろん力だって弱かったんです。だからそんなことしたら逆上されて、もっとひどいことをされると思ったんですね。けど、それは杞憂に終わりました」

「えっと、どうなったの?」

「ふふふっ、もちろん、蹴り上げてあげましたよ。彼らの大切なところを・・・」

彼女はてへっと、舌をだし悪戯っぽく笑った。

「びっくりしましたよ。隙を見て思いっきり蹴り上げてやったら、急に真っ青になって泣き出すんですもの。そのとき、私は学びました。男の子なんて怖くない。男の子なんてアソコを蹴り上げてやればいちころなんだって。それから私に嫌がらせをしてきた男の子はみ~んな、金蹴りで泣かしてあげました。えへへ、凄いでしょう?」

にっこりとほほ笑む彼女。

心なしか、彼女の目線は僕の股間に向いているような気がする。

僕はいつの間にか勃起していた。