「う~い、ただいま~」

深夜2時、酒に酔った信二が自宅の戸を開く。彼はこの家の住人で妻の栄子と2人で住んでいる。

「ん~、おしっこおしっこっと・・・」

彼は千鳥足でトイレに向かう。

「んっ、チャックが・・・。え~い、めんどくさい」

不器用にベルトをはずし、トランクスごとズボン下ろし用を足す。

「ふ~い、間に合った間に合った」

「ねぇ、信ちゃん、今日も遅かったのね?」

用を足しているとノックもなく扉が開き、栄子が狭い室内に入ってきて、彼の背後から声をかけた。

「うん、ちょっとね・・・」

「お酒臭いよ・・・」

「いやっ、ちょっと、付き合いでさ・・・。お得意先と・・・」

彼はははっと笑い、ズボンを上げるため屈もうとする。しかし、栄子はそんな彼を背後から抱きしめ、それを止めた。

「ちょっ、何するんだよ・・・こんなところで。やるんならベットで・・・」

「信ちゃん、香水のにおいがする・・・、またキャバクラ言ったでしょう・・・」

「あっ、いや・・・、いや、しょうがなかったんだよ。付き合いだしさ・・・」

「付き合いとか言って、上機嫌で帰ってきてさ・・・」

「ごっ、ごめんって・・・」

「そりゃ・・・、仕事の付き合いじゃ仕方ないけどさ・・・」

「栄子ぉ~・・・」

唇を尖らせ子供のようにすねる栄子、仕方ないと言っておきながら、何か言いたげに額を彼の肩甲骨にゴリゴリと擦りつける。

こうしていてはらちが明かないと、言葉巧みに彼女を宥めようとする信二だが、栄子は彼に抱き着いたまま無言の圧力をかける。そしてそんな状況のまま数が経過したとき、栄子がやっと口を開いた。

「信ちゃん、いっつもおしっこで便器汚すよね」

「えっ?」

信二は彼女の唐突な質問に間抜けな声を出した。

「信ちゃん、私がどんな気持ちで、トイレを掃除してるか知ってる?」

「栄子、いったい何の話だ・・・いっ、いててっ」

「お仕置きっ!」

股間に走る激痛、栄子は信二の睾丸を握りしめていた。

「いたたっ、栄子、なんてことを・・・いだだだだっ!!!」

「だ~か~ら~、お仕置き♪」

栄子は痛がる彼に構うことなく、ぎゅっと抱き着いて、彼の大事なところを容赦なくひねり上げる。

「ああっ、ごめん、ごめんなさい。もう、キャバクラなんていかないから・・・放して!!!」

「えっ? 何言ってるの? 私、信ちゃんがいつもおしっこで便器汚すから、そのお仕置きをしてるだけだよ?」

「ごっ、ごめん・・・もう、ひっかけないから・・・潰れちゃうから、放して・・・」

「え~、本当かな~?」

爪さきでコリコリと表面を引っ掻きながら、栄子は意地悪く言う。

「信ちゃん、うそつきだから信用ならないな~。前も、もうキャバクラいかないから~って言って、結局はそれ、守ってないし」

「ごっ、ごめんなさい。もう、これから本当に、いかないから・・・だから・・・」

「もう、だから! 私は便器におしっこをだね・・・!!!」

わからん奴だな・・・と怒気を強め、彼女は彼の睾丸に爪を立てた。陰嚢に鋭い爪がめり込み、睾丸がぐにゃりと変形してゆく。

「ぎゃあああっ、ごめんなさい。もう2度と、便器を汚したりしません!」

「はあっ、ホント?」

「本当です!!!」

「次汚したら、信ちゃんのオチンチン、切り取っちゃうからね・・・」

「えっ・・・」

「何? 何か文句でもあるの?」

「ああっ。いたたたっ!!! ないです。文句ないです・・・。約束しますから・・・」

「う~ん、わかった。信じて上げる」

彼女が手を放すと、彼は安堵のため息をついた。