彼女との別れ 後編

 

「ねえ、本当は体目当てで、私と付き合ったんでしょう?」

ガスッ・・・、固い膝小僧が軟弱な睾丸を押し上げる。

「ぐふ・・・」

健太はぐったりと彼女に縋り付き、激痛に体を震わす。

「ねえったら!」

ガスッ!

「何シカトこいてんだよ!」

彼女の右手が彼の股間に伸び、彼の晴れ上がった睾丸を乱暴に掴んだ。

「あぎゃっ!!!」

「ほんと、ムカつく」

美里の手の中で、ゴリゴリと握り潰される彼の睾丸。

「もっ、もう十分、練習になっただろう・・・そろそろ、やめて・・・」

「は? ああ、あれ? 練習とか、うそだから」

「え?」

「だから、全部ウソなの。変質者のことも、護身術のことも」

美里はあっけらかんと言った。

「アンタに金玉ぼこぼこにするための口実だったの」

「なっ、なんでそんなこと・・・」

「なんでそんなことをだと?」

美里は彼の憎しみのこもった眼で見上げる。

「アンタ今、2股かけてるでしょ?」

「うっ・・・」

健太の鼓動が高鳴る。

「そっ、そんなわけ・・・ぎゃっ!!!」

彼女の爪先が、陰嚢にめり込む。

「正直に言え・・・」

「あっ、あっ・・・」

「早く!!!」

「あぎゃっ、あっ、ごっ、ごめんなさい。つい、出来心で・・・」

「出来心だと・・・」

ぎゅっ!!!

「はあっ、潰れる・・・潰れちゃう・・・」

己の分身を心配する健太をよそに、美里は力を込める。

「こんなもん、潰れちまえ!」

「ああっ・・・」

健太の体が、ビクンと震える。

「は?」

美里の手首に生温かいものが降りそそぐ。

「てめー、なに射精してんだよ!!!」

「あっ、ごめ・・・」

ガタガタと震え、怯える健太。

「この変態!!!」

ぶんっと恐ろしい勢いで、白く引き締まった綺麗な脚が振り上げられた。

グチャッ!!!

彼女のつま先が股間に突き刺さった。

筆舌に尽くしがたい痛みが、彼の脳天を貫く。

「あっ、あ・・・」

下半身が燃えるように熱い。

激しい嘔吐感、そして同時にこみ上げてくる、底知れぬ喪失感。

遅れて、ペニスの先端から真っ赤に染まった精液が力なく流れ出す。

終わった・・・。

ゆっくりと仰向けに倒れる際、彼は絶望に満ちた表情で美里を見つめた。

綺麗に手入れされたつま先、細い足首、引き締まった太腿、緩やかな曲線のヒップと腰、重そうに揺れる胸、そして卵型のシャープな顔に切れ長の目、すべてがスローモーションのように見えた。

「がはっ!!!」

後頭部から地面に着地した彼は、体を痙攣させながら、激痛にもがく。

身体を丸め、両手で股間を抑える。

「な・・・い・・・」

激痛を堪え袋の中身の安否を調べた彼は、絶望の表情を浮かべた。

「無いよう・・・。俺の・・・俺の・・・」

「はあはあ、ったく、ホント最悪」

美里はスカートを脱ぎ捨て、自分の服に着替えた。
「美里・・・」
「じゃあね、もう二度と、私の目の前に現れないでね」
美里は悲しそうな表情の彼を残して、部屋を出た。