兄妹 前編

 

「おい、バカ兄。お前、私のプリン喰っただろう!」

「し、しらねーよ」

「嘘つけ、お前の部屋のゴミ箱に、プリンの容器があったんだよ!」

「うっ・・・、いいじゃねーか、プリンくらい!」

兄は妹の肩をとんっ、と押し、彼女の横を通り抜け去ろうとした。

「逃げんな、バカ兄!!!」

妹は背後から兄の側頭部目がけて、回し蹴りを放った。

ゴスッ!!!

鈍い音とともに、兄は膝から崩れ落ちる。

「へ?」

兄は何が起きなのかわからず、目を丸くして、彼女の方を見た。

すると眼前に勢いよく迫りくる、彼女の足。

メリッ!!!

彼の顔面に彼女の足の甲がめり込む。

「がっ!!!」

兄は鼻血をまき散らしながら、仰向けに倒れる。

「この腐れ野郎、立て!!!」

妹は鼻を抑えて、唸っている兄の胸倉をつかみ、壁を背に無理やり立たせる。

「これで何回目だよ! 人がおとなしくしてれば、付け上がりやがって!」

「えっ、ちょっと・・・、なんで?」

兄はいきなり妹が怒りだし、事態が飲み込めず、しどろもどろな様子。

それでも何とか妹の怒りを鎮めようと、謝ってみるも、彼女の怒りはおさまらない。

「脚開いて、歯食いしばれ!!!」

そう言われ、おとなしく従う兄。

刃向うと、面倒くさくなりそうだ。

まったく、脚を開かせて一体何を・・・ッ!?

次の瞬間、彼の体が宙に浮いた。

下半身が火傷したように熱くなる。

「がはっ!!!」

息ができない。

妹は彼の股間を蹴り上げていた。

「ああっ・・・」

兄は情けない声を上げながら、壁を背に、ズルズルと地面にへたりこむ。

「何勝手に座ってんだよ、立てよ!」

妹は股間を抑え、すすり泣く兄を立たせる。

「なんてこと、するんだよ」

兄は震える声で、妹に訴える。

妹はそんな兄を尻目に、彼の股間に膝蹴りを放つ。

「ぎゃっ!!!」

彼は膝をガクガクと震わせ、崩れ落ちそうになるが、妹に抱きかかえられた。

そして、3発目の蹴りが、彼の股間目がけて放たれる。

連続して放たれる、妹の急所蹴り。

がっしりと首をホールドされ、逃れられない。

彼は下半身に広がる、燃えるような激痛に悲鳴を上げた。