人生オワタ 第2話

 

「ばーか」

私は目の前で股間を抑え、のたうち回るバカな男に唾を吐きかけた。

男は苦しそうに顔を歪め、小さく何かをつぶやいている。

「おい、脱げよ、この痴漢野郎!」

私は無理やり男のズボンをはぎ取った。

皮のかぶった小さな一物が顔を出す。

きったねえの。

私は男の顔面を蹴り飛ばした。

ふごっとか言って、男は吹っ飛んで、後頭部からドアに激突した。

「ふふふっ」

なんて快感!!!

吹き出る鼻血を必死で抑え、ドアに背をもたれ、ガタガタと震える男。

私から逃げるように後ずさりするが、ドアを背にしているため、じたばたと足を動かすだけの間抜けな男。

「きゃははっ」

男の折れた前歯が、パンプスと足の甲の間に挟まっている。

私はそれを摘まみとって、男の股の間に投げ捨てた。

「あっ、ああ・・・」

男はそれを拾い上げ、慌てた様子で口に含む。

何をやってるの?

意味不明な男の仕草に、私は腹を抱え笑った。

何? 女に反撃されたのがそんなに意外だった?

怖かった? 

信じられない?

「バッカみたい」

私は男の股の間でただしなく垂れ下がった睾丸につま先を乗せた。

「ひぎゃっ!!!」

ひぎゃっだって。

蛙かお前は。

私は男の肩に手を置き、睾丸に体重をかけた。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」

男が潰れた鼻から血を吹き出しながら、絶叫する。

ブンブンと頭を振り、私の足に手をかけ、必死で引きかがそうとしている。

その姿はどこか、タンバリンを持ったあの猿のおもちゃを連想させた。

「痛いんだ?」

私は男のグリグリと踏みにじり、男の大げさな反応を眺めた。

ここって、男の体の中で、一番大事な場所なんだよね?

私は、その大事なところを踏みつぶしながら思う。

大事なところのくせに、こんなところにむき出しのままなんて、なんだか間抜けね。

女の大事なところは、ちゃんとお腹の中にあるのに。

「ひぎゃあああ!!!」

「あっ・・・」

男がバタバタと暴れるせいで、袋の中で拉げていた2つの肉魂が、ごりゅっと左右に逃げた。2ついっぺんに潰すのはさすがに難しいか・・・。

「はあはあ」

やっと私の足から逃れることができたと、少し安心した表情の男を尻目に、私は再び彼の睾丸につま先を乗せた。今度は右側の睾丸。

ビクンと男の体が跳ね上がる。

途端にもの悲しそうな表情になるバカ男。

見逃してやるわけないじゃん。

馬鹿じゃないの?

男って本当にバカ。

さっきだってそう。まんまと私の罠にはまった。

ちょっとパンチラ見せたり、胸の谷間見せただけなのに・・・。

やっぱ、男の脳みそはチンポについているのだろうか?

「ゆるして・・・」

男が切なげに、私を見上げる。

どうしてこんなことを・・・、そう言いたげな表情。

どうして?

ただのうっぷん晴らしだよ。

最近ストレス溜まってるんだよね、あたし。キモくて無能な男上司にセクハラされて、周りの男どもは無能で、押し付けた仕事も満足にこなしてくれなし。お局は自分が相手にされないからって、何かと私に突っかかってくるし。

「いつか、男の人のここ、潰してみたいと思ってたんだ・・・」