人生オワタ 第3話

 

「もう許してください」

「だめ」

私は男の右の睾丸に思いっきり体重をかけた。

「あぎゃあああああ!!!」

ぶちぶちっていう気持ち悪い感触。

男は必死で私に縋り付く。

やめてあげないよ。

私は容赦なく踏み抜いた。

ぐちゃっていう不気味な音が聞こえた。

私のつま先の下で平らになった睾丸、私の体重に耐え切れず、粉々に弾けた。

コリコリとした弾力が亡くなった。

私の脚に縋り付く男が、半分男でなくなった。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

萎れたままの小さな一物から、真っ赤な精液が流れ出る。

男は大きく目を見開き、狂ったように叫び声をあげる。

そんなに叫んだって、誰も助けてくれないよ。

前後の車両には乗客はいないもの。

「残念でした」

私はすでに潰れた睾丸をぐりぐりとすり潰した。

男は力なくすすり泣く。

ビクビク身を震わせ、精液とゼリー状の何かを吐き出す縮こまったペニスを見て、私は女であることの優越感を感じた。

「悲惨ね」

「あっ、あっ・・・」

もうやめて、そう言いたげな顔で見上げる、哀れな男。

血と涙でぐちゃぐちゃの顔はどことなく、あのセクハラ上司に似ている。

「ふふっ」

どこか胸のすく様な思いがした。

私はただ、つま先に体重をかけただけ、たったそれだけ。

たったこれだけで終わっちゃうんだ。

もう片方の睾丸につま先を乗せる。

必死で自分の形を保とうとするそのコリッとした弾力。

私は感触に心地よさを感じた。

「もうおしまいね」

男の睾丸がひしゃげてゆく。

「男ってバカね、あんな色仕掛けにコロッと騙されるなんて」

「ひぇ?」

私の言葉に男が反応する。

「普通さあ、見ず知らずの男の前であんなに無防備になるわけないでしょう?」

まして居眠りなんて。

「でもまさか、あんたがあんなに大胆なことするなんて思わなかったわ」

私のつま先の下で、彼の睾丸がきしみを上げる。

「ふふふっ、ハニートラップみたいなものよ」

ぽかんと男にそう告げる。

「そっ、そんな・・・」

いまさら後悔しても後の祭りよ・・・。